

「La Maison(ラ・メゾン)」は、フランス語で「家」を意味する、醸し人九平次の家飲み向け純米大吟醸。萬乗醸造が「特別な日のためではなく、日常の食卓のために」というコンセプトで設計した一本で、春に登場する季節商品だ。兵庫県黒田庄産の山田錦を使いながら、肩肘張らずに楽しめる味わいを目指している。
EAU DU DESIRやhumanがレストランやハレの日を意識した造りなのに対し、La Maisonはあえて力を抜いた設計。アルコール度数も15度とやや低めに抑えられ、香りは穏やか、口当たりは軽やかで飲み疲れしない。山田錦らしい上品な旨みは健在ながら、家庭料理に寄り添う親しみやすさが前面に出ている。グラスを選ばず、普段使いのワイングラスやお猪口で気軽に楽しめる。
冷酒からやや冷やし程度(8〜14℃)で、鶏のから揚げや生ハム、卵焼き、野菜の天ぷらなど、普段の食卓に並ぶ料理と合わせたい。気取らない料理を上品に底上げしてくれるのがLa Maisonの真骨頂で、九平次を毎日の食中酒として楽しみたい人に向く。
九平次のラインナップは、向き合うシーンで明確に役割が分かれている。レストランで真価を発揮するEAU DU DESIRやhuman、燗で季節を楽しむ火と月の間に、そして家庭の食卓のためのLa Maison。同じ蔵の同じ山田錦でも、設計思想が違えばここまで表情が変わる。複数SKUを飲み比べると、九平次の懐の深さが実感できる。
価格は四合瓶で2,500〜3,200円前後と、九平次のラインの中では手に取りやすい。春の数量限定品のため出会えるタイミングは限られるが、「九平次を日常に」という新しい提案を体現する一本だ。