開華 純米酒
栃木県

開華 純米酒

蔵元: 第一酒造
純米 原料米: 五百万石・とちぎの星 精米歩合 65%
★ 4.0
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.3
アルコール度数
14%
価格目安
1,300〜1,700円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

刺身 焼き魚 煮物 冷奴

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

栃木・佐野の第一酒造が醸す「開華」の純米酒を、編集部で改めて開けてみた。佐野の伏流水と地元・田島町の契約栽培米を使い、肩肘張らない晩酌酒として性格づけられた一本だ。グラスに注ぐとごくわずかに黄味を帯びた淡い色合いで、派手さはないが、いかにも食卓で減りの早そうな素直な佇まいがある。

香りは控えめで、純米酒らしい穏やかさ。メロンや洋梨のような華やかな吟醸香はほとんど立たず、炊いた米や栗を思わせる落ち着いた含み香が中心になる。五百万石ととちぎの星を65%まで平づきに磨いた構成で、香りで主張するより、料理の匂いに寄り添う静かな性格だ。アルコール度数14度というやや軽めの設計も、香りの穏やかさと素直につながっている。

一口含むと、軽やかな口当たりから米の旨みがほどよく広がり、そこへ落ち着いた酸が通って後味を締める。蔵元公表で日本酒度+2・酸度1.3という数値どおり、飲んだ印象も「軽快でやや辛口、酸は穏やか」。重さや雑味がなく、するすると飲み進められる軽快さがこの酒の身上だ。冷やでも飲みやすいが、この酒は燗で本領を発揮するタイプで、ぬる燗(40℃前後)に寄せると米の旨みがふくらんで丸くなる。実際、全国燗酒コンテストでベスト・バリュー燗酒部門の金賞を受けるなど、燗映えの評価が高い。

ペアリングは、刺身や焼き魚、根菜の煮物、冷奴といった日常の和食。淡麗でやや辛口の性格なので、出汁の効いた家庭料理を流すように受け止める。燗にすると煮物や鍋ものとの相性がいっそう増し、冬場の食卓で重宝する。香りで主張しないぶん、料理を選ばず幅広く合わせられるのが扱いやすい。

価格は四合瓶でおおむね1,300〜1,700円台、蔵元公式では720mlで1,375円前後と、純米酒として手に取りやすい実勢に収まる。突出した華やかさで驚かせる酒ではないが、米の旨みと穏やかな酸を芯に置き、冷やから燗まで温度帯を選ばず付き合える懐の広さがある。栃木の地酒を肩肘張らず楽しみたい人に勧めやすい、晩酌の常備酒だ。