常きげん 山廃純米
石川県

常きげん 山廃純米

蔵元: 鹿野酒造
山廃純米 原料米: 加賀五百万石 精米歩合 65%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+3
酸度
1.6
アルコール度数
16.5%
価格目安
1,500〜1,700円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

ぶり大根 おでん 鴨鍋 きんぴら

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

石川県加賀市、白山の伏流水で知られる鹿野酒造の「常きげん 山廃純米」。地元契約栽培の加賀五百万石を65%まで磨き、山廃仕込みで醸す定番酒だ。アルコール16.5度とやや高め、日本酒度+3のやや辛口で、四合瓶1,500〜1,700円という手の届く価格帯。山廃の旨みとキレを日常に持ち込める一本として試した。

グラスからの香りは穏やかで、山廃由来の乳酸的な含み香と、炒った穀物やナッツのニュアンスがうっすら漂う。派手さはない。一口含むと、五百万石の旨みがしっかり乗り、山廃らしい厚みのある酸が骨格を作る。中盤で旨みがふくらみ、後半はやや辛口の設計どおりすっと引いていく。「どっしりした飲み口に鋭い切れ味」という蔵の説明がそのまま味に出ている。

真価が出るのは温度を上げたとき。冷酒(10〜13℃)では酸がやや前に出て締まった印象だが、ぬる燗(45〜50℃)にすると旨みと酸がほどけて一体になり、燗映えする。熱燗(55℃)でも香りが暴れず、米の旨みが太く感じられる。山廃×燗の教科書的な良さがある。

ペアリングは、味の濃い煮込みや出汁もの。ぶり大根、おでん、鴨鍋、きんぴらなど、塩気と旨みのある料理と山廃の酸が共鳴する。脂のある料理の後口もこの酸が流してくれる。

香りで売る現代的な酒とは方向性が逆で、温度と料理で表情を変える「実用の山廃」。価格を考えれば燗酒の常備銘柄として十分に推せる一本だった。