

義侠 純米吟醸 50% 原酒は、山田錦を50%まで磨いた純米吟醸の原酒。原料には「山田錦共生会」が減農薬で育てる特別栽培米を使うことが多く、義侠が長年つきあってきた契約農家との関係が、そのまま瓶の中に表れている。代表格の純米吟醸 山田錦60より一段深く磨きながら、義侠らしい濃醇旨口の骨格は崩していない。
精米50%の違いは、雑味の少なさと余韻の伸びに出る。60%の純吟が米の力強さを前面に押し出すのに対し、50%の原酒はそこに上品さを一枚重ね、旨みが舌の上でより長く尾を引く。とはいえ吟醸香で売る酒ではなく、香りは控えめ。あくまで「磨いた山田錦の旨み」を味わわせる構成だ。
日本酒度+3前後、酸度1.4、アルコール16度の原酒。辛口の骨格を酸がしっかり支え、原酒ならではの密度がある。冷酒(10〜13℃)で輪郭を楽しんでもいいし、ぬる燗にすれば米の旨みがふくらみ、義侠本来の燗映えする性格が顔を出す。温度で二度おいしい一本だ。
ペアリングは、脂とコクのある料理。天ぷら、牛肉の朴葉焼き、鰤の照り焼き、すき焼き。原酒の濃さが料理の脂を受け止め、辛口のキレが口の中をリセットする。
四合瓶で3,000円前後と、磨き50%の純米吟醸原酒としては良心的。共生会の特別栽培米という背景まで含めて、義侠の「米へのこだわり」を最もわかりやすく体感できる一本といえる。