京都府

富翁 純米酒

蔵元: 北川本家
純米 原料米: 国産米 精米歩合 68%
★ 4.0
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+1
酸度
1.4
アルコール度数
15%
価格目安
1,400〜1,800円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

湯豆腐 だし巻き卵 白身魚の煮付け おばんざい

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

京都・伏見の北川本家が醸す「富翁(とみおう)」は、明暦三年(1657年)創業という長い歴史を持つ蔵の代表銘柄。十代目蔵元が中国の古典にあった「富此翁」の一節から名付けたと伝わり、「心豊かな人は晩年に幸せになる」という意味が込められているという。伏見特有のやわらかな伏流水を仕込み水に使った酒で、今回は普段使いの基準となる「富翁 純米酒」を試した。

伏見の酒らしく、香りは穏やかでおとなしい。グラスから立つのはほのかな米の香りと、わずかに感じる蒸し米のニュアンス程度で、吟醸香で主張するタイプではない。精米歩合は68%と、純米酒として標準的な磨き。色合いは淡い山吹色で、見た目から柔和な口当たりが予想できる。

ひと口含むと、まず感じるのは伏見の水を思わせるまろやかな入り。米の旨みがふんわりと中盤で広がり、日本酒度+1前後のほぼ中庸な甘辛バランスに収まる。酸度1.4はやや控えめで、全体としては角のないやわらかな味わい。後味はすっきりとして、料理を選ばず合わせやすい。なお純米帯の日本酒度・酸度は商品により幅があるため、ここでは標準的な富翁 純米酒の傾向に沿った代表値として記している。

温度帯は冷酒から燗まで幅広く対応する。冷やすと輪郭が締まり、ぬる燗にすると旨みがふくらんで京料理との相性が際立つ。湯豆腐やだし巻き卵、白身魚の煮付けといった出汁を効かせたおばんざいと合わせると、酒が静かに料理を支える。四合瓶で1,400〜1,800円前後と日常的に手に取りやすく、京都・伏見の「やわらかな食中酒」の典型を味わいたい人に勧められる定番の一本だ。