篠峯 伊勢錦 純米
奈良県

篠峯 伊勢錦 純米

蔵元: 千代酒造
純米 原料米: 伊勢錦 精米歩合 66%
★ 4.4
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+7
酸度
2.1
アルコール度数
16.0%
価格目安
1,700〜2,100円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

鯵の刺身 焼き魚 酢の物 山菜の天ぷら

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

千代酒造が米の個性を磨き分ける「田圃(たんぼ)」シリーズの中でも、ひときわ通好みなのがこの伊勢錦だ。伊勢錦は山田錦の親系統にあたる希少な古典品種で、栽培の難しさから一時はほぼ姿を消した米。それを66%精米・協会6号酵母で純米に仕立て、無濾過生原酒や中取りで出すのが篠峯の伊勢錦である。山田錦や雄町とは異なる、線の細さと清涼感をあえて生かした一本だ。

香りは穏やかで、柑橘やわずかな青みを思わせる爽やかなトーンが立つ。派手な吟醸香ではなく、古典米らしいすっきりした含み香で、最初の一杯から軽快な印象を受ける。

味わいは伊勢錦らしい引き締まった旨みが芯にあり、雄町ほど厚くはないがしっかりとした骨格を持つ。日本酒度+7のやや辛口に、酸度2.1の旺盛な酸が重なり、後口はシャープに切れていく。アルコール16度ながら重さは感じさせず、口中をすっと洗うようなキレが伊勢錦の身上だ。冷酒では酸と清涼感が際立ち、温度が上がると旨みが少しふくらんで表情が変わる。山田錦の上品さとも、雄町の濃さとも違う、独特の硬質な味わいが楽しめる。

ペアリングはさっぱりした食中で映える。鯵の刺身、焼き魚、酢の物、山菜の天ぷらといった素材の風味を生かした料理に、伊勢錦の酸とキレがよく合う。脂の軽い料理を引き立て、後味を爽やかに流してくれる。

四合瓶でおよそ1,700〜2,100円。希少米を使う純米としては手に取りやすく、伊勢錦という古典品種そのものを味わえる稀少な機会でもある。山田錦・雄町を一通り飲んだうえで、篠峯の米バリエーションをさらに掘り下げたい人に薦めたい一本だ。

※日本酒度・酸度はびん詰時期や火入れ/生で変動。価格は720ml実勢の目安。