笹一 純米吟醸 甲州夢山水
山梨県

笹一 純米吟醸 甲州夢山水

蔵元: 笹一酒造
純米吟醸 原料米: 甲州夢山水(山梨県産) 精米歩合 60%
★ 4.2
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2.5
酸度
1.75
アルコール度数
16%
価格目安
1,600〜2,100円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

刺身 天ぷら 豚の塩焼き ほうとう

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

山梨県大月市笹子町、1661年創業の笹一酒造による純米吟醸。「笹一」の名は、酒林(さかばやし)に使う笹の中でも一番の酒を、という願いから来ていると伝わる老舗だ。霊峰富士の伏流水「御前水(おんまえすい)」で仕込む蔵らしく、グラスに注ぐとほぼ無色で、まず端正で清らかな印象が立つ。この一本は地元・山梨県産の酒米「甲州夢山水」を全量に使った地酒色の濃い純米吟醸である。

香りはやや控えめで、ほんのりとした果実香に米由来のクリーンな含み香が重なる。甲州夢山水を60%まで磨いた原料らしく、香りで押すよりも輪郭のはっきりした透明感で勝負するタイプ。御前水の柔らかさが下支えになっているのか、香りの段階から角のない素直さが感じられると、編集長・丸山は受け取った。

口に含むと、軽やかな口当たりのあと、米の旨みがほどよく広がる。日本酒度+2.5・酸度1.75という数値どおり、甘さに寄りかからず、やや辛口寄りの骨格に酸が効いて、後半はすっとキレていく。フルーティーさと米の旨みを両立させた食中設計で、甘旨で記憶に残すより料理を進ませる役回りだ。冷酒(8〜12℃)で香りと透明感が映え、13〜15℃に上げると米の旨みが前に出てふくらみが増す。

ペアリングは、刺身や天ぷら、豚の塩焼きといった素材を活かした料理と好相性。やや辛口寄りでキレがあるぶん、塩味や揚げ物の脂を受け止めて口中をリセットしてくれる。地元らしく山梨の郷土料理ほうとうと合わせれば、味噌仕立ての濃さを酒のキレが軽やかに整えてくれる。

価格は四合瓶でおおむね1,600〜2,100円と、純米吟醸として日常使いしやすい実勢。観光土産としても手に取りやすい一本だが、御前水と甲州夢山水が生む端正なキレは中身として確かで、価格以上の食中力がある。山梨の地酒らしい清らかさを無理なく確かめられる、編集部が安心して薦められる定番だ。