大多喜城 純米吟醸
千葉県

大多喜城 純米吟醸

蔵元: 豊乃鶴酒造
純米吟醸 原料米: 山田錦・美山錦 精米歩合 60%
★ 4.2
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.4
アルコール度数
15%
価格目安
1,500〜1,900円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

刺身 天ぷら 筑前煮 鶏の照り焼き

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

千葉県大多喜町でただ一つの蔵元、豊乃鶴酒造による「大多喜城」。天明年間(1781〜89年頃)創業の老舗で、敷地内の木造建築は国の登録有形文化財に指定されている。歴史ある里山の蔵が手がける純米吟醸は、山田錦と美山錦を60%まで磨いた、穏やかでまとまりの良い食中酒タイプだ。

香りは控えめで、果実のニュアンスをほのかに含む穏やかな含み香。吟醸香を強く立てるタイプではなく、口に含んでから旨みで聴かせる設計。一口目はなめらかでバランスがよく、米の旨みがすっと広がったのち、余韻は短めにきれいに終わる。日本酒度+2、酸度1.4とほぼ中庸で、辛さにも甘さにも振り切らない、終始なめらかな後味が印象に残る。

温度帯は冷酒から常温まで素直に対応する。冷やす(10℃前後)とキレと清涼感が立ち、常温に戻すと旨みがふくらんで落ち着いた表情になる。穏やかな酒質ゆえ温度で大きく崩れることがなく、扱いやすいのも家飲み向き。香りを楽しむより、料理と並べてゆっくり飲むのに向く。

ペアリングは和食の定番が中心。刺身、天ぷら、筑前煮、鶏の照り焼きなど、出汁や醤油を使った家庭料理に幅広く寄り添う。味の主張を抑えた設計なので、里山の食材を使った煮物や総菜と合わせても料理を立ててくれる。濃すぎる味付けより、素材の味を生かした料理のほうが持ち味が生きる。

四合瓶で1,500〜1,900円前後。大多喜町唯一の蔵という土地の物語も含めて、観光土産にも晩酌にもなじむ一本。流通は限定的だが、房総の里山を訪ねた折に手に取りたい、過不足のない食中酒。