

高知県高岡郡の司牡丹酒造による「船中八策(せんちゅうはっさく)」は、坂本龍馬が起草したとされる新国家構想「船中八策」から名付けられた銘柄。日本酒度+8という超辛口の代表格として全国的な知名度を持つ。
香りはほぼ皆無に近いほど穏やか。一口含むと、米の旨みが控えめに広がり、辛口のキレが圧倒的に支配する。後味は驚くほど早く消える。「料理の邪魔をしない辛口」という設計思想の典型。
冷酒(10〜13℃)、燗酒(40〜50℃)、ぬる燗、どの温度帯でも破綻しない懐の深さがある。土佐の宴会文化「献杯・返杯」で何杯飲んでも疲れないよう設計されている。
ペアリングは、土佐の食文化の食中酒。カツオの刺身、皿鉢料理、焼き魚、天ぷら、煮物。脂のある料理や濃い味付けでも、辛口のキレが口の中をリフレッシュしてくれる。
四合瓶で1,800〜2,500円という価格は、純米としては破格。流通量も安定していて、特約店以外でも見かける機会が多い。「超辛口とは何か」を知るための基準銘柄。