水尾 純米吟醸 金紋錦
長野県

水尾 純米吟醸 金紋錦

蔵元: 田中屋酒造店
純米吟醸 原料米: 金紋錦(長野県木島平村産) 精米歩合 49%
★ 4.4
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
±0
酸度
1.7
アルコール度数
15%
価格目安
2,000〜2,600円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

刺身(白身・赤身両方) 天ぷら きのこのソテー 鴨ロース

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

長野県飯山市、奥信濃の田中屋酒造店による看板の純米吟醸。地元・木島平村産の希少な酒米「金紋錦」を全量に使い、49%まで磨いて醸す定番だ。豪雪地帯として知られる飯山の雪解け水と、それを思わせる透明感が「水尾(みずお)」という銘の核にあり、グラスに注ぐとほぼ無色で、まず澄んだ印象が立つ。

香りは白桃やマスカットを思わせる華やかさがありながら、輪郭がはっきりしていて上品。純米吟醸としては精米歩合49%とかなり磨き込まれており、金紋錦特有のふくらみのある旨みを残しつつ、香りは抑制が利いている。派手に主張するのではなく、コクと透明感を両立させようとする設計だと、編集長・丸山は受け取った。

口に含むと、まず柔らかな甘みと金紋錦らしい厚みのある旨みが広がり、中盤でふくらみが増す。日本酒度±0・酸度1.7という数値どおり、甘辛はちょうど中庸で、酸がやや高めに効いているぶん、後半は重さを残さずきれいにまとまる。冷酒(8〜12℃)では香りと透明感が映え、13〜15℃に上げると金紋錦のコクが前に出て満足感が増す。温度の幅で表情が変わるので、一本でいくつもの顔を楽しめる。

ペアリングは、白身・赤身どちらの刺身にも寄り添い、天ぷらやきのこのソテー、鴨ロースのような旨みのある料理とも好相性。淡麗に振り切らず適度なコクがあるぶん、淡白すぎない料理まで受け止められる懐の深さがある。奥信濃のきのこや川魚と合わせれば、土地の味としてのまとまりも出る。

価格は四合瓶でおおむね2,000〜2,600円。希少な金紋錦を49%まで磨いた純米吟醸としては良心的な実勢で、コストと中身のバランスが取れている。淡麗辛口とは一線を画す「旨みと透明感の両立」を求めるなら、まず手に取りたい一本。奥信濃の地酒のレベルの高さを、編集部として安心して薦められる定番だ。