亀齢 辛口純米 広島八反
広島県

亀齢 辛口純米 広島八反

蔵元: 亀齢酒造
純米 原料米: 八反35号 精米歩合 80%
★ 4.2
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+5
酸度
2.1
アルコール度数
17%
価格目安
1,300〜1,600円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

刺身(赤身) 焼き鳥(塩) 揚げ物 中華料理

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

東広島市西条本町の亀齢酒造は、古くは「吉田屋の酒」と呼ばれ、明治初期に長寿を願って「亀齢(きれい)」と名づけられた蔵だ。同じ「きれい」でも、長野の「信州亀齢(岡崎酒造)」とはまったく別の蔵なので混同しないでほしい。こちらは西条の老舗で、軟水仕込みの甘口が主流の広島にあって、あえて辛口にこだわってきた一本筋の通った蔵。仕込み水は竜王山の伏流水を汲む「万年亀井戸」だ。この「辛口純米 広島八反」は、地元・広島県産の八反35号を使い、精米歩合80%で仕立てた、亀齢の辛口を象徴する純米酒だ。

香りはごく控えめで、吟醸香はほとんど立たない。蒸した米と、わずかに穀物を思わせる素朴な含み香があるだけ。精米歩合80%という磨きの浅さが、米の存在感をそのまま残している。香りで楽しむ酒ではなく、口に含んでからのキレと酸で勝負するタイプだと、注いだ瞬間から分かる潔さがある。

味は、名前のとおりキリッとした辛口が主役。日本酒度+5、酸度2.1という数字どおり、しっかりした酸が骨格を作り、後半で辛さがスパッと立つ。アルコール17度の力強さもあって、薄い印象はまったくない。八反35号らしい旨みのコクが土台にありつつ、甘さに頼らず、酸とキレで全体を引き締めている。冷酒(8〜12℃)でシャープな酸が際立ち、常温〜ぬる燗にすると米の旨みがふくらんで角が取れる。開栓後の味の変化も楽しめ、数日かけてゆっくり付き合える懐の深さがある。

合わせたい料理は、味のしっかりした、あるいは脂のあるもの。赤身の刺身、塩の焼き鳥、揚げ物、そして意外なほど中華料理にも合う。強い酸とキレが脂を切り、口の中をリセットしてくれるので、こってりした料理ほど相性が良い。淡い前菜より、濃い味付けと正面からぶつけたいタイプだ。

価格は720mlで実勢1,300〜1,600円ほど(※流通により変動)。一升瓶でも手頃な価格帯で、コストパフォーマンスは高い。軟水・甘口が主流の広島で、あえて辛口を貫く西条の純米として、辛口好きならまず試してほしい一本だ。