賀茂鶴 本醸造 上等酒
広島県

賀茂鶴 本醸造 上等酒

蔵元: 賀茂鶴酒造
本醸造 原料米: 酒造好適米 精米歩合 66%
★ 4
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+1.5
酸度
1.3
アルコール度数
15%
価格目安
1,200〜1,500円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

冷奴 肉じゃが 鶏の唐揚げ お好み焼き

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

本醸造 上等酒は、賀茂鶴酒造の最も身近なレギュラー酒だ。精米歩合は66%、価格も720mlで実勢1,200〜1,500円と、賀茂鶴ラインの中でいちばん手の届く位置にある。同じ本醸造でも、八反系の米を使った超特撰特等酒が「燗で本領を発揮する晩酌酒」だとすれば、上等酒は冷やでも燗でもいける汎用性を重視した、まさに「普段の一本」。近年リニューアルもされており、蔵が日常酒に手を抜かない姿勢が見える定番だ。

栓を開けたときの香りは、本醸造らしく穏やかで主張が少ない。米と麹のやわらかな香りが控えめに広がり、華やかさを狙う酒ではないことがすぐ分かる。66%精米らしい、肩肘張らないナチュラルな香り立ちで、これは「香りを愛でる酒」ではなく、料理の邪魔をせず食卓に溶け込むための設計だ。広島の軟水仕込みらしい丸さがある。

口に含むと、柔らかな飲み口の中に、後味へと旨みが残る。日本酒度+1.5前後と、辛口に振りつつもやや旨みを残したバランスで、酸度1.3が全体を引き締める。突出した個性はないが、そのぶん飲み飽きせず、どんな料理にも寄り添う中庸の味わいだ。アルコール度数も15度台と控えめで、毎日の晩酌でするすると飲める設計になっている。国内外のコンテストで金賞を重ねているという話も、この安定した品質を裏づける。

温度は冷やから燗まで幅広く対応する。冷酒(10〜13℃)なら輪郭が締まって軽快に、ぬる燗(40℃前後)なら旨みがふくらんでまろやかに表情を変える。ペアリングは冷奴や肉じゃが、鶏の唐揚げ、そして広島らしくお好み焼きまで、家庭の食卓のあらゆる料理に合わせやすい。万能の食中酒として、一本あれば食卓が回るタイプだ。

編集長丸山としては、上等酒は「賀茂鶴の入口」として勧めたい。大吟醸や純米大吟醸が特別な席の酒なら、上等酒はその蔵の地力を、いちばん安く、いちばん日常的に確かめられる一本。冷やでも燗でも崩れず、何にでも合う懐の深さは、まさにレギュラー酒の鏡だ。まず賀茂鶴という蔵がどんな酒を造るのかを、無理のない価格で知りたい人にうってつけの本醸造だ(※スペックの一部は公開情報をまとめたもの)。