勢正宗 純米吟醸 ひとごこち
長野県

勢正宗 純米吟醸 ひとごこち

蔵元: 丸世酒造店
純米吟醸 原料米: ひとごこち 精米歩合 59%
★ 4.2
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
-6
酸度
1.3
アルコール度数
16%
価格目安
1,500〜2,000円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

ぶり大根 クリームチーズ 豚しゃぶ 栗の甘露煮

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

中野市の丸世酒造店は、創業1870年、「世の中が丸くなるように」との願いを蔵名に込めた五代続く小さな蔵。この純米吟醸は信濃町産ひとごこちを主体に、もち米を加える四段仕込みを取り入れ、長野D酵母で醸している。栓を抜くと、メロンやバナナを思わせる華やかでふくよかな香りが広がり、甘口寄りの優しい酒だと一目でわかる。

口に含むと、日本酒度-6らしい柔らかな甘みがまろやかに舌を包む。もち米四段由来とみられる、とろりとした厚みのある旨みが特徴的で、飲み口はあくまで穏やか。酸度1.3が後半でほどよく締めるため、甘ったるさは残らず、余韻の最後はすっと収まる。華やかさと優しさを併せ持つ、人を選ばない一杯だ。

温度は低めが基本。8〜12℃でよく冷やすと香りと甘みのバランスが整い、上品にまとまる。常温に近づけると旨みのボリュームが増し、デザート的なふくよかさが顔を出す。甘口が好みなら少し温度を上げて、酒そのものを楽しむ飲み方も悪くない。冷やしすぎると香りが閉じてしまうので注意したい。

ペアリングは、甘みと旨みが対話する組み合わせがいい。ぶり大根や栗の甘露煮といった甘辛い料理に寄り添い、豚しゃぶのポン酢の酸とも好相性。意外な発見はクリームチーズで、酒の甘みと乳の塩気・コクが溶け合い、ちょっとした食後の一杯として完成度が高かった。

四合瓶で千円台後半からと、純米吟醸として手頃な価格も魅力。華やかな香りと優しい甘み、もち米四段の厚みという分かりやすい個性があり、日本酒を飲み始めた人にも勧めやすい。辛口が続いた食卓に変化をつけたいときに開けたい、ほっとする甘口の良作だ。