宝剣 純米吟醸 山田錦
広島県

宝剣 純米吟醸 山田錦

蔵元: 宝剣酒造
純米吟醸 原料米: 山田錦 精米歩合 50%
★ 4.5
★★★★☆
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+3
酸度
1.3
アルコール度数
16%
価格目安
1,900〜2,300円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

白身魚の刺身 出汁巻き卵 湯葉 蒸し鶏

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

宝剣酒造の「宝剣(ほうけん)」といえば地元八反錦の印象が強いが、兵庫県産特A地区の山田錦を50%まで磨いたこの純米吟醸は、蔵がもう一段上の表現に踏み込んだ一本だ。八反錦版がキレと軽快さで広島の食中酒像を体現するなら、山田錦版は同じ磨き55%前後の枠を超えて、ふくらみと余韻で勝負してくる。編集部としても、両者を並べると蔵の引き出しの広さがよく分かる。

グラスからは白桃や洋梨を思わせる吟醸香が穏やかに立つ。八反錦純米吟醸の控えめな立ち香に比べると、山田錦らしいやわらかく上品な香りがひとまわり豊かだ。それでいて香水的な押しはなく、料理と並べたときの節度を保っている。

含むと、特A山田錦由来のきめ細かい旨みがなめらかに広がり、日本酒度+3・酸度1.3の落ち着いた骨格が支える。八反錦版の+5・1.4よりわずかに甘み側へ寄り、口中での密度が高い。後半は宝剣らしくきれいに収束するが、余韻には山田錦の旨みがしっとり残る。冷酒(10℃前後)が最も輪郭が整い、温度を上げると旨みの層が立ち上がる。

ペアリングは香りと旨みを活かして、白身魚の刺身や出汁巻き卵、湯葉、蒸し鶏といった淡い味の和食に寄り添う。八反錦版が牡蠣や焼き魚の塩味に強いのに対し、山田錦版は出汁の繊細な料理で本領を発揮する。同じ宝剣でも、合わせる皿で使い分けたい。

四合瓶でおおむね1,900〜2,300円。SAKE COMPETITIONでも評価された実力を考えれば、純米吟醸として納得感のある価格帯だ。八反錦のキレを知った人が次に試すと、宝剣という蔵の幅を実感できる。山田錦の旨みを軸に据えた、宝剣のもう一つの基準作と言える。