

富山県南砺市の三笑楽酒造による「三笑楽(さんしょうらく) 純米」は、世界遺産・五箇山の地で醸される地酒。明治13年創業、冬の積雪が2メートルを超える豪雪地帯の蔵で、雪国の寒造りらしい引き締まった酒質を身上とする。
香りは穏やかで、米と発酵由来のクリーンな含み香が中心。華やかな吟醸香を狙った酒ではなく、五百万石を65%まで磨いた素直な造り。一口含むと、米の旨みがしっかりと前に出て、後から日本酒度+4前後の辛さがキレを作る。酸はおおむね1.5前後でバランスよく、飲み飽きしにくい。山峡の食文化に根ざした「飯に合う酒」の系譜。
冷やでも美味しいが、この酒の真価はぬる燗〜上燗(40〜50℃)で立ち上がる。温めると米の甘みと旨みがふくらみ、舌の上で長く続く。豪雪地帯の郷土食、山菜や川魚、鍋料理と合わせると体に染み入る。
ペアリングは、五箇山の食を思わせる素朴で力強い和食。刺身や焼き魚はもちろん、山菜の天ぷら、囲炉裏端の鍋料理との相性が抜群。脂の強い料理にも辛口のキレで切り返してくる。
四合瓶で1,300〜1,600円。流通量は限られるが、富山県内の酒販店や蔵元周辺なら手に入れやすい。冬の燗酒として常備したくなる、雪国の地酒らしい実直な一本。