半蔵 純米吟醸 神の穂
三重県

半蔵 純米吟醸 神の穂

蔵元: 大田酒造
純米吟醸 原料米: 神の穂 精米歩合 50%
★ 4.2
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+1
酸度
1.4
アルコール度数
15%
価格目安
1,600〜2,200円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

刺身(白身) 焼き魚 天ぷら(塩) 鶏の塩焼き

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

半蔵は、三重県伊賀市の大田酒造(創業1892年)が手がける銘柄で、伊賀ゆかりの忍者・服部半蔵にちなんで名付けられた。今回向き合った純米吟醸 神の穂は、三重県オリジナルの酒造好適米「神の穂」を100%使い、精米歩合50%まで磨いた一本。グラスに注ぐと色はほぼ無色透明に近く、第一印象は「派手さで攻めず、きれいに整えてきた酒」という落ち着いた佇まいだった。

香りは穏やか。メロンや洋梨のような吟醸香がうっすらと立つものの、鼻に抜けるほど強くはなく、炊いた米を思わせる柔らかな含み香が中心になる。三重県酵母(MK-1)由来の控えめなアロマ設計で、香りで主張するタイプではない。食卓で料理の匂いと喧嘩しない、抑制の効いた香り立ちと感じた。

味わいは、口当たりがなめらかで、神の穂らしい軽やかな旨みがすっと広がる。甘さと辛さのバランスは中庸で、わずかに旨口に寄りつつ後半はきれいに切れていく。アルコール度数は15度とやや低めで、重さを感じさせない。温度帯は冷酒(10〜13℃)で輪郭が締まり、常温〜ぬる燗(40℃前後)に上げると米の旨みがふくらんで丸くなる。冷やでも燗でも崩れにくく、温度の幅で表情を変えられるのが扱いやすい。

ペアリングは、白身魚の刺身、焼き魚、塩で食べる天ぷら、鶏の塩焼きといった淡い味付けの和食と素直に合う。香りが穏やかなぶん料理を邪魔せず、食中酒として最後まで飲み疲れしない。脂の強い料理や濃い味付けにも、きれいな酸が口中をリセットしてくれる。なお、蔵の最上位にあたる純米大吟醸 磨き40が2016年のG7伊勢志摩サミットで乾杯酒に選ばれているが、本品はその系譜にある日常使いの純米吟醸という位置づけで考えると分かりやすい。

価格は四合瓶でおおむね1,600〜2,200円。純米吟醸クラスとしては手に取りやすく、毎日の晩酌でローテーションに加えやすい価格帯にある。華やかさや個性で記憶に残るタイプではないが、料理に寄り添う「きれいでバランスの良い食中酒」を探しているなら、編集部としては堅実な常備候補として推せる一本。